紙上中継「ハングルの詩のある風景」素月と無主空山 第9回
歌樽先生:正解です。京都にはいろんなしきたりがあるようですね。
詩子アナ:「風呂敷包を渡す」のが「もうそろそろお引き取りください」、「ぶぶ漬でも」というのは単なる外交上の挨拶で、なにもなければ寂しいので、言ってみているだけだそうです。
歌樽先生:では、次に3行目の「쌓았다 헐었다」の入った諺を調べてみましょう。
詩子アナ:こんな諺がでてきました。
- 담을 쌓았다 헐었다 한다
- 垣根を積み上げたり崩したりする
歌樽先生:どんな説明がありますか。
詩子アナ:「ああしてみたりこうしてみたりといろいろいい方法がないかやってみる」とあります。
歌樽先生:では、最後の4行目の「만리성(萬里城)」を調べてみましょう。
詩子アナ:「하룻밤」のところにもありました。
- 하룻밤을 자도 만리성을 쌓는다
- 一晩寝ても万里城を築く(直訳)
歌樽先生:「만리장성:万里城」についても調べてみましょう。
第12問:その中で最も驚いたものを選びましょう。
詩子アナ:辞書にはいろんな説明が出ていますね。
- ①万里の長城、2700km。
- ②互いに行き来できなくする大きな障壁を比喩的にいう言葉。
- ③前途洋々たる様を比喩的にいう言葉。
第12問:ありました。
④男女が互いに交わることを比喩的にいう言葉。
歌樽先生:驚いたようですね。
詩子アナ:出て来ましたね、デターというデーターが出て来ましたね。④ですか。それで「万里城」が男女の関係を匂わせるような言葉となっているんですね。驚きました‼
歌樽先生:驚くのはこれからですよ。
詩子アナ:えっ!これで十分驚いていますが。
歌樽先生:では、もっと驚いていただくことにして、次にいきましょう。
詩子アナ:どうして一晩で万里城を築城することになるのですか。
歌樽先生:一晩で万里城を築くというのではなく、万里城を築城する仕事をさせられるはめに陥るという意味です。話が込み入っていますので、箇条書きにしてみましょう。
- ①妻の夫が万里城の築城に徴発される。
- ②家に夫が長期にわたり帰って来ない。
- ③塩売りの行商人がこの家にやってくる。
- ④妻は男に言い寄られる。
詩子アナ:話が微妙な世界に入ってきましたね。
歌樽先生:③の塩売りの行商人の部分は隣家の未婚の男、または小作人という説もあります。
詩子アナ:いくつかバージョンがあるようですね。
歌樽先生:昔話のようなものですから、バリエーションも多いですね。
詩子アナ:それだけ有名な話なんですね。
歌樽先生:説話ですから、時代と共に変化していきますね。では、話を進めましょう。
- ⑤妻は条件付きで男と一夜を共に過ごしてもよいと言う。
- ⑥その条件とは男が夫のいる万里城まで出向いて夫に手紙と服を渡すこと。
- ⑦それをしてもらえると、男と生涯ともに過ごしても良いという。
- ⑧男は承諾して、女と一夜を共にし、翌朝、万里城に向かう。
- ⑨何日もかけて築城の現場に到着し、妻の夫に会う。
- ⑩男は事情をしたためた妻の手紙と服を夫に渡す。
- ⑪夫は妻に手紙を書く間だけ、男に夫の代わりに城壁づくりに加わるように頼む。
- ⑫夫は妻の手紙を読み、服を着替えて外に出て、帰宅する。
詩子アナ:男はその手紙を読むことはできなかったのですか。
歌樽先生:男は文字が読めなかったとされています。
詩子アナ:夫への妻の手紙には何と書かれていたのですか。
歌樽先生:妻がその男と一晩寝たこと、それが許せないなら万里城を作る仕事をそのまま続けてほしい、許してくれるなら、この服を着て、家に帰ってほしいといった内容のようです。










